テイルズオブ・ジ・アビス レビュー

ファンタジアから始まったテイルズシリーズもこれで10周年記念。
それはドラクエ6との直接対決惨敗から始まった伝説。
御多分にもれず、俺もその口。
ドラクエ6は船に泡が付いた時点でやめ、速攻中古屋でファンタジア購入。
…以上、俺がテイルズファンであると同時に忘れてはならない過去の傷。戒め(笑)

「ドラクエ、FFがナンボのモンじゃい!」

と叫びつつ、前2作品で評価は急落。
10周年。それは記念であると同時にテイルズシリーズの試練だったのだと思います。


序章 テイルズオブ・ジ・アビスにおける期待と不安

とりあえずこれがプレイ前感想。はっきり言って不安要素はほぼありませんでした。ゲーム雑誌などでチェックする限り、システム的な問題は見受けられなかったし、何よりも10周年にかけるスタッフの意気込みが並々ならないというのも感じられた。サガファンがなかったことにしたいアンサガと同様、テイルズファンの黒歴史であるリバースから始まった迷走もこれで終焉か?…といったところでレビュー本編へ。

1章 システム編

システムはテイルズというゲームのほぼ全てを担う重要な役割。何度も言うように戦闘が悪かった前2作がそのままテイルズ株暴落の直接要因。さて、今回は?

1.フレックスレンジリニアモーションバトル

…つーか、名前長いよ(笑)。今回最大のウリである戦闘システム。シンフォニアのマルチラインリニアモーションバトルにフリーラン=戦闘フィールドを自由に動けるシステムを導入したもの。これがまた素晴らしいのです。L2+アナログスティックで自由にフィールドを動き回れる。これでシンフォニアの時にハートレスサークルの中にどう足掻いても入れないとかいうことがなくなった。さらに、敵と背後に回り込む、おとり役として動き回るなど様々な行動プランが。自由って素晴らしい。まぁスターオーシャン3でもできたんだけど、あれより各段に良い。範囲術はフリーターゲットでどこでも任意の場所に発動できるが、味方も敵も動き回ってるからあまり使わない。キャラを対象に発動させれれば充分。ハートレスサークルには自分で入りに行くよ(笑)

ただ唯一の問題点として、フリーラン移動中は攻撃とか防御とかできないんだよね。それは良いとしても、一番気になったのはフリーランを解除した瞬間。どうしてもスキができてしまう。例えばフリーランで敵の背後に回るけど、攻撃行動に移るためにL2ボタンを離したら一瞬のスキができるし、多少の惰性(ADスキルのハイターンで多少はなくなる)もある。これはどうしても気になった。それさえ除けば問題はないです。その欠点だって重箱の隅をつつくようなものだし。

2−1.特技体系

これも基本。やっぱ10周年だし、魔神剣とか虎牙破斬とかなかったらダメだよね。不満と言えばインディグネイションが見つからないことか。それとジェイドがやけに新術を引っさげている。技もリバースで見たアレとかだし。一人だけ特技体系の世界観が違うような。つーか、サンダーブレードが上級になって、インディグネイションがない理由の説明をして欲しいのですが。いや、正確には2周目要素でインディグネイションもあるんだけどね。

また、ティア・ジェイド・アニス・ナタリアは特技と術が共用できるタイプなため、普段ならルークやガイのような戦士系を操作しがちなテイルズ戦闘に一石を投じた。まぁ今までもデスティニーやデスティニー2でそういうキャラはいたんだけど。魔術師系でも特技があると操作しやすいので、そういった点でも戦闘に飽きが来ない配慮ができていたと思う。

2−2.特技ショートカット

今回はフリーランやオーバーリミッツの発動などにLRボタン全てが振り分けられているので、今回のショートカットは役に立たないとウワサされている右スティックに振り分けます。ゆえに4つまで登録できるように。さすがに4つも登録できると選択の幅が広くなりますね。俺はアニスの右スティックは全部自身の魔術を振り分け、十字ボタンには特技や奥義を登録しておいた。アニスは術が全部で4つだからちょうど良かったです。ジェイドとティアも同じく。パターンは逆だけど。

俺はもともと、ショートカットをほとんど使わないので、自身の術技しか登録しませんでした。

2−3.オーバーリミッツと秘奥義

オーバーリミッツはシンフォニアにもあったけど、今回はゲージが貯まったら自分の好きなタイミングで発動できるようになった。で、オーバーリミッツ時には全キャラ秘奥義が出せる。正確にはADスキルのスペシャルが必要で、レベル30にならないと覚えないのだが、これはどうせならもう少し早い段階…最初の奥義を覚えた段階ですぐに使えるようになっても良かったんじゃないかなと。シンフォニアの時はなかなかオーバーリミッツにならなかったが、今回はデスティニー2のスピリッツブラスター並になる。ゆえに数回の戦闘ですぐオーバーリミッツになれるし、よって秘奥義も出せるのでかなり爽快。オーバーリミッツは任意で出せるからオートも使わないようにしてボス戦で集中するとかの作戦も。

ただ、これは特技性能上仕方ないのかもしれないが、吹き飛ばし効果のある奥義から秘奥義出すと空振りしちゃうんだよねぇ…。ガイやアニスはある程度動く技だから良いけど、ルークはその場で繋げちゃうから完全に当たらない。自分で出したのなら諦めもつくが、オート操作でやられるとさすがに…。困ったもんだ(笑)

2−4.FOF効果

魔法などの属性攻撃を行った時に発生する属性付きの円陣のことで、これが色付きの場合に特定の術技と属性が合えば効果の高い上位技に変化するシステム。序盤はなかなか色付きの円陣が出ないが、後半になって上級魔法を覚えると簡単に色付きになって狙いやすくなる。だからこのシステムの本領はゲーム後半。魔法は詠唱がいるのでなかなかFOF技が出ないけど、それゆえに威力が高かったり。FOEと一文字違うだけでここまで…(笑)

2−5.オートキャラのアイテム使用

今回は何といっても、オート操作のキャラがアイテムを勝手に使うんです。凄い進化だ。設定で使わないようにすることもできるし、使う時に宣告してくるからそこで却下もできる。まぁ戦闘に必死になってると気付かないこともあるんだが。俺は元来、アイテム使うためにメニュー開くのも嫌いなんで、これは凄く良かったと思う。ただ、今回はADスキルのアイテムスローがないと自分以外にアイテムが使えない。それを含めて、このシステムはイヤな人もいるだろうね。俺は平気。つーか、むしろこの方面でこれからも。

2−6.号令と作戦

さっき書いたけど、右スティックがショートカットなため、今回も号令を出す時はメニューを開いてから。どうしてもウェイトがかかるんだけど、まぁ仕方ないかなと。作戦も結構細かく決められるし、号令と使い分けることで大きな戦術になる。レジェンディアは作戦も号令も大雑把すぎたもんなぁ…。

3.FSチャンバー

今回はこれによって特技に補正がかけられる。赤は威力(回復量)が増す、青は吹き飛ばし距離増加や硬直時間減少、緑は消費TP減や盗む効果付与、黄色は低レベルFOF変化の4効果。術技を使用することで発生確率が上がり(1回で1%)、最高の6まで上がると常にその効果が出る。ただ、俺としてはこれは特に必要なかったように思うというか、どうせなら一つの技に4つの全ての効果を付けられても良かったかなと。1つだけなら100%発生、2つ付ければ両方の恩恵が受けられる代わりに、発生率が50%になるとかでも良かったような。

4.キャパシティ・コアとADスキル

今回は称号によるステータス補正はなく、補正は全てキャパシティ・コアによって賄われます。レベルアップ時に装備しているキャパシティコアに設定されている数字分、各能力にプラス補正がかかる。そのプラス値が一定値に達するとADスキルを習得し、さまざまな恩恵が受けられる(魔法防御や秘奥義など基本的なのはレベルアップで習得)。ADスキルの習得には複数のパラメータを必要とするものが多いので、基本、キャパシティコアは付け替えつつ進めることになる。これがまた面倒で…。どうせならキャパシティコアそのものにADスキルを付けておいても良かったと思うんだが。

ただ、後半になると補正値の高いコアが増えてくるために、前半でムリにレベルを上げるとADスキルを覚えにくくなるというバランスはなかなか良いんじゃないかと。普段、レベル上げまくってから進む俺がそれを控えたからねぇ。おかげでなかなか緊張感のあるボス戦を堪能できました。意外な副産物だったと思います。

5.グレード

すでにシリーズ恒例になっているグレード。2周目特典プレイやカジノでのチップ交換に使用。今回は貯まりやすいですね。とは言っても作品ごとにグレードショップで使う割合も違うから一概には言えないけど。が、やっぱり戦闘内容がきっちり反映された査定だと嬉しいものです。レジェンディアはオート操作に足を引っ張られたし、リバースは論外だったし、シンフォニアは上がりにくかったし、デスティニー2はレベル差がありすぎると絶対にマイナスだった。今回はFOFを使ったかとかそういうのも評価対象だからグレード=戦闘テクニック評価という繋がりが分かり易かったし。

6.料理

…う〜ん、俺この方法嫌いなんだよね。シンフォニアの時もそうだったけど、一度登録すると料理するキャラと料理が固定されるでしょ。違う料理や違うキャラに代えるのが非常に面倒なんだよね。材料の確認するためにも料理選び直さないといけないし。ショートカットが4つあるから多少はその手間も軽減されるんだけど。料理熟練度はパーティー共有でも良い気がするのだが。そういう点ではレジェンディアのパンは作り置きで良かった。ただ、今回はエンゲーブ1箇所でほぼ全ての食材が揃うのでありがたい。わざわざ買いに回る手間がないのは良かった。ただ、コンブだけが買えないためにコンブが必要な料理をほとんどしなかったなぁ。

7.称号

さっき書いたように、今回の称号はステータス補正ではなく、特別な効果が付与される。ただ、基本的に「マップ画面で15秒停止していると〜」とか、普通にゲームやってるとやらない動作を求められているのはどうだろう。また、ゲーム内にその称号の特殊効果も表示されないので、何がなんだか。中には買物する時に価格補正をかけたりするのもあるが、気付かないと思うし。ただ、その反面、効果を持たない衣装称号に代えてもデメリットが小さい。シンフォニアの時はモロにレベルアップ時のプラス補正があったから衣装替えててもレベルアップに合わせて付け替えたりしてたし。…まぁそういうのを考えればこの称号システムは妥当なところか。効果の説明さえ付いてればなぁ…。

8.フェイスチャット

レジェンディアの時はやけに少なかったが、やっぱりこれもテイルズの伝統の一つになってるワケで。シナリオを補完したり、キャラを見せたりする手段の一つとしても欠かせない。容量上どうしてもカットせざるを得ないシナリオ部分をチャットで補えればやっぱりその効果は大きい。できれば雑談系を多くしてくれれば。

9.人形

アニスの特殊装備品。ナムコ絡みのキャラの人形にトクナガが変わり、中には術技が使えるようになるものも。。その中でもやっぱりテイルズ絡みの人形はファンとしては嬉しい限り。もう少しあっても良かったと思うが、そうすると本当にアニスが最強になっちゃうね(笑)

10.あらすじ

今回はルークの日記という形で存在。ルークの記憶障害という設定を生かした形。余所事をやっていたがために次にやるべきことを忘れたりした時のために物凄くありがたいシステムだが、今回は日記として文章が多すぎて逆に読むのが面倒だったり(爆)

11.コレクターブック

個人的にはコレクターブックよりもモンスター図鑑のほうがよほどか実用性があると思うのに、今回もやっぱりない。レジェンディアでもなかったが、どうしてないのだろう。逆に聞きたいよ。コレクターブックが何の役に立つのか。アイテムの入手場所=売っている場所だったらワールドマップでも分かるんだし。敵が落とすことも書かれるのは唯一の救いか。

12.金策

今回は非常に金策がツライ。武具を流用できるルークとガイ、武器を流用できるティアとアニス、防具を流用できるティアとナタリアは常にどちらかがお下がりを装備していた。ここまで金策の厳しいゲームは久々。…まぁそれは良いんだよね。ただ、武具や戦闘中に使うグミ類にどうしても資金を回してしまうから、食材に費やすお金が足りない。料理をしない理由はシステム的に面倒というよりも、本当はここにある。バランスが難しいな。料理の回復量がもっと大きければ(特に序盤)積極的に食材を買ったかもしれないけど…。

13.アルビオールの操縦苦

とにかくイラつきます。雷雲・熱風・吹雪・濃霧。コールドかっての(笑)。設定上、強化するまでそこを通過できないのは良いんだけど、それに引っ掛かった時のあの無駄なタイムラグが許せない。そして強化しても最高速でないと通過できないという無駄設定も許せない。最高速で入ってもその直前で切れることが多々ある。あれの意味が分からないし。シリーズではファンタジアのレアバードが一番操作性が良かったよねぇ。直接街の中に入れたし、スピードもあったし。

14.読み込み

そして最後に持ってきたが読み込み問題。戦闘とフィールドの切り替えは一切気にならないが、マップの切り替えは非常に苦痛。これがまだアウトフィールドとインフィールドなら耐えられるのだが、街やダンジョン内の同一マップの切り替えでも長いのは話にならない。キャパシティ・コアや人形が何気に民家のタンスとかにあったりするからどうしても探索は必要なのに。アビス最大の問題点で、本当に耐えられないほどだった。これさえなければ満点評価もあり得たのに…。

2章 音楽編

とりあえず結論から。全体評価はそれなりに高くできるけど、印象はさほど残らない。質は完全にレジェンディアのほうが上。ただ、今回はシナリオ進行に合わせてフィールドや戦闘のBGMが変更されるので、そういう点においては評価したい。いや、まぁ今のゲームでは当然って言えば当然の演出なんだけどね。大体、ファンタジア時代からフィールドBGM変更はあったのに、なかったレジェンディアがおかしかったのだ。それはともかく、結局、最後まで印象に残ったBGMってないような気も。闘技場エキシビジョンマッチは反則。

それと、あの音量の違いはどうにかならないものか。特に最終フィールドBGMのけたたましさ。あの曲の後にバチカル入ると音聞こえないもん(笑)。フィールドの音がうるさいからテレビの音量小さくすると、どこかの街に入るとBGMが聞こえなくなるんよ。全体的に小さかったり大きかったりするのならコンフィグで設定変更すれば良いだけだが、BGMごとに違うとねぇ。

3章 キャラクター編

1.ルーク・フォン・ファブレ

今回の主人公で、アッシュのレプリカ。アクゼリュスの一件からシリーズ最低の主人公の呼び声も高い。実際、キツかった。まぁ、そこが今回のキモではあるんだけど。

主人公だけあって操作性は至って普通。全てに平均的。吹き飛ばし奥義の後についつい秘奥義出して空振りしちゃうこと多し。もう少し特徴が欲しかったな。セブンスフォニムが使えるのに、それが戦闘に生かされなかったのは残念。

2.ティア・グランツ

ヒロイン。主人公がシリーズ最低なら、ヒロインはシリーズで最も大人だったような。最初から最後まで信念を貫いたという点において。

ユニット性能的にはリアラに近い。回復も攻撃も使える。ただ、譜歌の詠唱時間の長さがどうにも。効果は高いのだが、ナイトメアはねぇ。それ以外は全て使えるんだけど。譜歌はシンフォニアでコレットが使った天使術と同じ魔法なので懐かしくもあり。どうせならピコハンのFOF技がパラライパルティータになってれば(笑)

3.ジェイド・カーティス

今回はメインキャラ同士の繋がりというか関係がシナリオの根幹から来ているのだが、その最も根底にいたのが、フォミクリー考案者たるジェイド。言い換えれば諸悪の根源。そんな彼にルークをあそこまで言える資格はあるのだろうかとも思う。ツンデレおじさん。

攻撃魔法担当。シンフォニアのジーニアスとかとは違ってジェイドは技も使えるので、ボス戦で足手まといになることもなく、それなりに使えました。後半では上級魔法がFOFを出すゆえに必須戦力とも言えたし。

4.ガイ・セシル

パッと見ではガイが主人公に見えなくもない。主人公があの最低っぷりだったので、その分序盤からの良いヤツっぷりが目立つ目立つ(笑)。おそらく、イオンと女性人気を二分しているに違いない。

純粋な接近戦キャラとしての操作性は主人公のルークより断然上。打たれ弱いという弱点を補って余りある素早さ。ヒットアンドアウェイから劣り役、斬り込み役まで何でもこなせる。今回のフリーランを最も生かせるキャラ。しかも集気法で自給自足ができるのもポイント。ただ、そのためにTPは不足しがち。特にオートが。

5.アニス・タトリン

通称はるこ。絶対領域の持ち主。それに加えてトクナガがナムコキャラになったり、殺劇舞荒拳とか使っちゃうあたり、どう考えても最強なんだよなぁ。プレセアに次ぐ武闘派小さい女の子だが、プレセアは実年齢26歳だったので、実質はシリーズ最年少戦士。女の子なのにねぇ…。いや、まぁ実際は人形が戦ってるんだけどね。

攻撃力と防御力に優れてはいるがとにかく動きがズブい。多少の攻撃魔法が使えるが、操作感覚はシンフォニアのプレセアに近い。そのために乱戦に弱いが、ADスキルのグローリーを覚えたらもはや恐いものナシ。魔法もネガティブゲイト・ブラッディハウリングがかなり使える部類で、戦闘を楽しむには持って来いかも。実際、一番操作していたような。ルークとジェイドが戦闘にいないと言葉遣いが汚くなるらしい。

6.ナタリア・L・K・ランバルディア

ヒロインかませ犬(爆)。まぁルークとティア、アッシュとナタリアというラインは絶対なんだから、それはそれで良いのだが。つーか、アッシュがオリジナルルークだと分かった後、イッキに態度が変わった気がする。ルークから離れたというよりも、イッキにアッシュに傾いたんだけど。あの変わり方はリアラに通じるものがある。

弓による遠距離攻撃と単体専用だけど回復魔法、各種補助魔法と完全なサポートキャラ。それゆえに自分で操作すると戦闘を楽しめ切れない気もする。逆に言えば司令官的な楽しみ方をしたいのならうってつけか。

7.アッシュ

オリジナルルーク。詳しくはシナリオ編で。

操作性についてはルークと同じだが、魔法が使えるのでルークよりは操作しがいがある。ただ、一瞬しか仲間にならないのでさほどのプレイ感覚はない。

8.ヴァン・グランツ

シリーズとしてはダオス以来の最初から分かってたラスボス。ヒゲがカッコ良いが、同時に眉毛が胡散臭くて(笑)

9.イオン

戦闘には参加しないNPCだが、実は裏のヒロイン(笑)。序盤からルーク寄りの立場にいたのは、やっぱりスコアでそれを知っていたからであるよりも、ルークが自分と同じレプリカという存在であったからか。

10.六神将(アッシュ・シンク・ラルゴ・リグレット・アリエッタ・ディスト)

アッシュを始め、全員が味方キャラクターと何らかしらの因縁がある。ただ単に考え方の違いから対立するよりは良かったですね。リバースやレジェンディアはまさにそれだったからねぇ。人と人が争うのに理由がなかったらそれはただの戦争だもんね。感情移入できるワケないもん。

11.ミュウ

ソーサラーリングの役割。あざとく狙いすぎてちょっとスベった感アリ。ただ、アクゼリュスの一件はコイツがいることで多少ルークを見てるのがラクになったかな。

4章 シナリオ編

1.仲良しパーティーと仲悪いパーティー

シリーズの傾向として、パーティー全体の仲が良いというのがありますね。スタッフが言うように、特にシンフォニアが仲良し絶好調。ロイド・コレット・ジーニアスは幼なじみだったしね。ただリバースの初期パーティーのヴェイグ・マオ・ユージーンは比較的中立、レジェンディアは明らかに仕方ないから…という流れで始まってた。今回も然り。だから序盤からアクゼリュスまでは実際の話、ちょっとツラかったんだよね。ゲームは面白いんだけど、先に進む(シナリオ読む)のが。だけど、そこから始まるルークの巻き返し。今まで閉じ込められてきてまともに考えることをしなかったルークが成長してく具合。これはもうシナリオライターの思惑通りにグイグイと読んでいかされた。今思えば序盤から仲が良いよりもより感情移入できた。まぁ実際、初対面の人信じないもんねぇ(笑)

2.ルークの暴走は止められなかったのか?

ジェイドは早い段階でルークがレプリカであることを予見し、バチカル廃工場でアッシュを見かけた時にそれは確信に変わったハズ。そしてスコアの内容もイオンと絡んで分かってるだろう。そうなると六神将を束ねるヴァンの計画にあのジェイドが気付けないワケはないと思うんだけど。だってジェイドは世界一の天才なんだよ。それが一度廃棄したフォミクリーを使ってる、言わば二番手のヴァンに遅れを取るか?また、ルークとヴァンの密談を聞いたナタリアが加入した時にルークが取った不自然な行動も気にかけないこともないだろう。

確かにルークは段々と暴走していったんだけど、バチカル廃工場まではかなり自然に旅をしていたんだよね。この時点でもすでにヴァンに乗せられてたんだけど、実際にルークが勝手に暴走するのはデオ峠あたり。少しずつおかしくなっていくルークを不審に思えば、ナタリアを得意の話術で誘導尋問するのはできたんだよ。結局、それをせずに最後まで気付かなかったのはいささか不可解。ナタリアだって、ヴァンにこだわりすぎるルークを案じてガイあたりに相談するくらいのことはしたんじゃないだろうか。

3.ヴァンの世界再生計画

今ある世界をぶち壊すって、デスティニーで見なかった?それが純粋な正義感から来てるのは違うところだけどね。外殻大地とかもそんなカンジがした。だから、六神将とした会話なんかは、細部は違えど全てデスティニーのイレーヌとかとした会話そのまま。そのあたりは今回、一番の失点だったように思う。

4.エンディングで帰ってきたのはルークかアッシュか?

これはフォミクリーの設定から色々あるんだけど攻略本に書いてある設定から考えてみる。

まず、フォミクリーがあらゆるレプリカを作る技術。ただし、外見は同じでも音素振動数が変わって完全同位体にはならない。レプリカはオリジナルより劣るが、まれにオリジナルを越えるレプリカができることもある。ルークはアッシュから作られたレプリカ。完全同位体として存在している理由はとりあえず無視しておこう(笑)

次に完全同位体のオリジナルには「ビッグバン」という現象が発症する。これは「同じ存在であるレプリカの情報を回収するため、音素乖離してレプリカを回収し、オリジナルと再構成する現象」で、結果「レプリカは存在していたときの記憶をオリジナルに残して消滅し、オリジナルは2つの過去の記憶を持つことになる」…以上、設定。

で、これをルークとアッシュに置きかえると、オリジナルのアッシュがもうすぐ死ぬと言っていたのはおそらく音素乖離の部分だと思うのだが、その後にルークを回収して再構成される…となる。アッシュにしてみれば2つの記憶を持って再構成されることそのものが自己の死と同義だったのかもしれないけど、いささか不満が残る発言。いや単純に再構成のことを知らなかったからなのか。

反対に帰ってきたのがルークだとする。本来、消滅するはずだったレプリカのルークより先に、音素乖離とは別の理由でオリジナルのアッシュが死んでいる。その時にアッシュの能力を受け継ぐ形で第2超振動を扱えるようになってるので、オリジナルとレプリカの立場が入れ替わったビッグバン現象が起きたとも考えられる。

…以上を踏まえた上で、帰ってきたのはどちらなのか、その理由を添えて提出しなさい(笑)。俺はルーク派ですね。やっぱアッシュは先に死んじゃってるんで。あと、エピローグがナタリアでなくティアで始まってるし(笑)

5.第2超振動

それはともかくとして、ルークがアッシュを受け継ぐという形で第2超振動を身に付けたのなら、アッシュが使えていた譜術を使えるようになってもよかったと思うのだが。実際、ルークよりガイのほうが戦いやすいユニットであったことを考えれば、それくらいのメリットを与えても良かったと思う。

6.闘技場

シナリオとは関係ないんだけど。闘技場のエキシビジョンマッチは良かったですね。リッド・ナナリー・ミント・フィリアとの4対4のガチンコバトル。常々、4対4の対人戦闘が欲しいと思っていたので、これが嬉しくて。ちなみにシリーズ史上、4対4の対人戦闘があったのがあの悪名高いリバースの四星戦。リバースで唯一評価してるトコロです(笑)。次回作ではシナリオ本編での同人数ガチンコバトル希望。…処理落ちする?

7.2周目要素

グレードによる2周目特典は健在。これはもうお決まりになりましたね。ただ、おまけダンジョンが2周目限定とかいうのはやめたほうが良いと思うんだけど。これはこのゲームに限ったことじゃないけど、社会人になるとそこまでゲームに費やせる時間はないんです。サブイベントとメインイベントの組み込み方のバランスは難しいと思うけど、やっぱり、「2周目から」という前提の隠し要素はやめてほしいな。せっかくゲームに組み込むんだから、製作サイドとしても極力やってもらえたほうが良いんじゃないだろうか?俺が今回2周目限定として許せるのはアニスの勝ちゼリフが人形で変わることくらいかな。システムやシナリオに大きな影響を出さない程度なら容認できます。

終章 総括と次回作展望編

攻略本に書いてある「シリーズ11周年記念作品」がテンペストのことだったら俺は怒るよ?いや、まぁ11周年記念というのは語呂なんだろうけど、そういう語呂を使うのであればせめてPS2で出す本流に当てはめろと言いたい。性能的に劣るハードで出すのをそう言い切るのはどうかと思うし。

…と、さておき、今回はあの読み込みがかなり足を引っ張ったけど全体的には大満足です。システムでの不満は金策。装備品はともかくとしても、料理を扱いきれなかったんで。戦闘に関してはほぼ完璧だと思います。できればフリーランをもう少し突き詰めたいかな。

そして次回作の展望なんだけど、ここまで巻き返してもらったらもう言うことないですよ。今挙げた要素を解消して欲しいってくらいで。…いやぁ、こんなに短い総括は初めてだ(笑)

おまけ テイルズシリーズランク

せっかくの10周年。なので俺も歴代作品の何でもランキングを。上位5位まで発表する形式でいきたいと思います。

1.作品

1位…ジ・アビス

やはり1位は今回のアビスで。まぁ最新作で印象が残ってるというのもあるんだけど、さすが10周年の名に恥じない作品。何度も言うように、リバースとレジェンディアが黒歴史であるがゆえに今回の巻き返しがかなり来たというか。

2位…ファンタジア

シリーズ最初の作品、ファンタジア。各機種の移植されまくり。シナリオはズバ抜けてトップの出来。個人的にはもう一度、現行の戦闘システムでリメイクして欲しいのだが。

3位…デスティニー2

シナリオは最低評価だけど、タコ殴りをできないようにしたSPを取り入れた戦闘システムは俺がシリーズで一番気に入っている。ショートカット駆使するだけじゃコンボが繋がらないからね。また、魔法も特技と同じように登録して使えるし、コンボコマンド戦闘の最終形態だった。つーか、これを最後にコンボコマンドが消えた。ちなみに戦闘終了時に掛け合いが入ったのもこの作品から。

4位…シンフォニア

マルチラインはかなり良かった。アビスの戦闘の原型でもあるワケだし。シナリオもファンタジアに通じるところがあったし。

…最初の項目でいきなりベスト5じゃないですね。だって作品としてみたら、この4つ以外は結構…。

2.キャラクター(シナリオ編)

1位…リオン・マグナス

やっぱりリオンでしょう。うん。リオンはリオンだから。それだけで1位に選べてしまう(笑)。ジューダスよりリオンのほうが好きですね。シナリオ上での扱い方は。

2位…コレット・ブルーネル

テイルズ史上、最も過酷な展開だったヒロイン。健気だったよねぇ。ロイドがコレットの異変に気付いた以降から完全な天使化あたりのイベントは反則的。

3位…ルーク・フォン・ファブレ

そしてルーク。過酷さだったらコレットにも負けてないと思うが、まあキャラがアレだったんで。成長幅の大きさはシリーズ主人公の中でナンバーワン。髪の毛の長さが性格を維持している説に一票(笑)。つーか、目つきも変わったよ。別人。

4位…ノーマ・ビアッティ

ムードメーカーとしての働きもさることながら、キャラクエもなかなか良かった。

5位…クレス・アルベイン

スーファミ版はドラクエ6と同じ発売日だったこともあり、裏に回ってたファンタジア。俺はドラクエ6を取ってすぐに飽きて、結果として両方やったから、主人公があれだけシナリオに入ってくることが凄く良かったんだよね。ドラクエの主人公は会話とか割り込まなかったから。その他にも色々な要素があったし、これからこのシリーズは来るという予感もすぐに来た。実際、今となっては俺の中でドラクエ・FFを超えてるからね。最初の主人公としてかなり好きなキャラ。

3.キャラクター(戦闘編)

1位…ジューダス

やっぱり、ジューダスでしょう。緑川声もあるけど、やっぱり技と術のバランスやSPの消費など、戦闘システムを楽しむにうってつけのキャラだった。真神煉獄刹がねぇ。

2位…アニス・タトリン

動きはズブいけど、技メインでありながら術も使えるというのがミソ。ルークやガイをさしおいて最も操作したように思う。

3位…リアラ

キャラはともかく、戦闘のアクションが異様に可愛い。自分での操作はあまりしなかったけど、戦闘にいればそれだけで良かったような。

4位…ゼロス・ワイルダー

シンフォニアの中で唯一、術技が共有できるタイプ(クラトスとの択一)。回復魔法も備えている上にEXスキルのスーパーブラストやターンレスなど、あらゆる角度で戦闘を楽しめるのがゼロスだった。PS2版はジャッジメントを覚えたし、結構操作したように思う。

5位…アーチェ・クライン

かないみか、反則(笑)

4.特技・奥義

1位…真神煉獄刹(ジューダス)

「僕は過去を断ち切る!」の掛け声と仮面が割れる演出がニクい。2周目以降、確率によって発生率が変わるのがネック。

2位…冥空斬翔剣(クレス)

PS版で採用されたこの技が以降、秘奥義というシステムの走り。闘技場のガルフビーストやリリス戦でお世話になりました。

3位…殺劇舞荒拳→十六夜天舞(アニス)

スタンの殺劇舞荒剣から始まった刹劇シリーズも、クレスの殺劇舞荒剣(PS版隠し技)、ファラの殺劇舞荒拳に次いで4人目。今回は秘奥義扱いで、2周目以降は十六夜天舞に繋がるという極悪な仕様。ルークとジェイドがいない場合の掛け声「ヤロー、テメー、ぶっ殺す!」はインパクト大(笑)

4位…サンダーソード(リリス)

ファンタジアの闘技場隠しボスとして登場するリリスが使ってくる奥義。実はデスティニーでもバグ技を用いて(ベスト版では不可。初期ロットのみ?)リリスを仲間にすれば使えます。つーか、明らかにスタンより強いのに、なりきりダンジョンのリリスは弱い。

5位…パラライパルティータ(コレット)

これはもう名前が…(笑)。パラライパルティータ。響きが良い。

5.術

1位…インディグネイション(アーチェ)

やはりテイルズの一番最初の術ですからね。テイルズのテイルズたる所以で、これが存在しない時は得てしてダメな評価になりやすい不思議。使用者はアーチェにして選んだけど、実際は詠唱のあるエドワードのヤツです。ファンタジアは詠唱音声なかったからねぇ。余談だが、当時は8文字までしか表記できない仕様だったので、画面上ではインデグニション。

2位…フィアフルストーム(リアラ)

個人的に好きな魔法の一つ。「恐怖と共に消えよ。鳴け!極限の嵐!」という詠唱がインディグネイションに負けず劣らず好き。広範囲を巻き込める威力もなかなかで、特になりきりダンジョンではミスティシンボルを付けてこれを唱えるだけでラスボス倒せます。

3位…エクセキューション→ルナシェイド(ハロルド)

同じく好きな魔法の一つ。特にルナシェイドの掛け声がカッコ良い。

4位…ジャッジメント(ゼロス)

ジャッジメント自体はコレットとクラトス、ティアも使えるが、ここではPS2版のゼロスが使えるジャッジメントに限定。効果はコレットとかと変わらないけど、特にあの詠唱の長さというか、普段不真面目なゼロスが真面目に詠唱してるのがなんか好き(笑)

5位…フリーズランサー(キール/メルディ)

これも結構好きな術。小さい敵に当たらないとか、結構問題はあるんだけど、これがなりきりダンジョンだと物凄い効果を発揮する。フィアフルストームほどではないが。

6.テーマソング

1位…夢は終わらない〜こぼれ落ちる時の雫〜(PS版ファンタジア)

スーファミ版でなく、こっちで。歌部分よりも前奏や間奏などの音楽部分が好き。ちなみに、この主題歌CDのカップリングも結構好きです。

2位…そして僕にできるコト(PS2版シンフォニア)

ムービーは同じだから、インパクトは先に見たGC版のほうが残ってるんだけどね。歌そのものはPS2版のほうが良いと思う。歌詞的に見てもこっちのほうが合っているというか。

3位…蛍火(レジェンディア挿入歌)

ちょっとイレギュラー選出。去年のランキングでもちょっと顔を出したけど、この歌は本当に好き。どうしてあのサビの部分はあれだけグッと来るのだろう。冗談抜きで良い歌。

4位…カルマ(ジ・アビス)

歌詞がばっちりゲームのシナリオに合ってる。アホみたいに有名どころ使えばいいってモンじゃないよね。いや、使うのは良いんだけど、やっぱ内容と一致してこそじゃないかと。分かるか、コナン!(爆)

5位…星を空に(PS版ファンタジアED)

PS版ファンタジアのエンディングだけど、実際はスーファミ版のオープニング、吉田由香里の夢は終わらないのCDのカップリングだったりする。今、手元にあったはずのそのCDが見つからないからアレンジが入ってるかどうかが確認できません。

と、ランキングとしてはこんなカンジだろうか。BGMについては数が多すぎるので割愛。デスティニー2の戦闘曲(終了時含む)、ファンタジアのフィールド曲、タウン曲とかが好き。


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