ファントムブレイブ レビュー

ラ・ピュセルに始まり、ディスガイアと続いたやり込み系ロープレ第3弾。


序章 ファントムブレイブに対する期待と不安〜君はクッキングファイター好(ハオ)を知っているか!?〜

まぁ日記のほうにも書いた通り、最初はこのファントムブレイブを買うことに対してかなり迷っていました。しかもかなり消極的な方向で決着が付きそうだったくらいに。発売寸前に出した答えとして、「この段階で限定版の予約ができたのなら、それはゲーム神(ゲ神)の神託だ」と(笑)。で、その中でも率の高い大須にGAMAGUN氏を実際に派遣してみました。したらできちゃったのです。言うなればできちゃった婚。結果としてこれは吉と出たのですが。

…では、最初に乗り気でなかったその理由とは?

それは前作の魔界戦記ディスガイアの評価によるところです。実際、ファントムブレイブをクリアした今でもディスガイアはクリアしてないし。

確かにディスガイアは面白かったです。ジオシンボルとか投げるとかランダムダンジョン攻略によるアイテム強化とか、今までのゲームになかった新要素がふんだんに取り入れられ、さらに前作のラ・ピュセルに比べてやり込み要素もより手軽に、長く楽しめるようになっていた。

ただ、それが俺にとっては最後でつまづく要因になってしまったんです。

本編そっちのけでやり込み要素に走った結果、ラスボスを一撃の下に葬り去る強さを手に入れたはいいが、このゲームの隠しボスの強さはワイルドアームズのラギュオラギュラすら寄せ付けない。例えばプリエがレベル2000。ラスボスのラミントンが90だったことを考えると、その差は圧倒的です。ちなみに俺が鍛えたラハール達のレベルが450程度だったことを考えても、まだまだプリエの足元にも及ばない。ラスボスは一撃、なのに隠しボスにはまだ全然及ばない。そういった点から、このゲームは時間のある学生向けで、社会人となった今は楽しみきれないという結論になってしまったんです。中途半端に鍛えてしまったがゆえに、やる気が損なわれてしまった。

そういった危惧があって、このファントムブレイブに消極的だったのです。さっきも書いた通り、それは杞憂に終わったのですが。予想に反し、そして予想以上にメッチャ面白かったです。それではその理由を以下にツラツラと。

1章 システム編〜さまよえる魂よ、我が声に従い導き出でよ〜

シナリオの進行についての基本的なシステムは今までのシリーズに準拠。なのでそちらのレビュー(といっても簡易版のラ・ピュセルのレビューしかないけど)を参照して下さい。

1.コンファインとリムーブ、アイテムの概念をはじめとした基本戦闘システム

今回の戦闘参加可能キャラクターはマローネを除き、全て霊魂(ファントム)という設定になっています。マローネの特技「シャルトルーズ」で、マップ上に落ちている各種アイテムにユニットを「コンファイン(憑依)」することで戦闘に出撃させるシステム。召喚魔法だと考えてもらって結構です。ていうか、シャルトルーズとコンファインって同じ意味じゃんか。前者が能力の名前、後者がその内容というだけで分ける理由あるのか?

さておき、そうやってコンファインしたユニットは、そのユニットごとの規定行動回数=リムーブが設定されてます。これにより、サモンナイトのような待ち伏せやおびき寄せなどの戦術が使いにくくなっていて戦術に幅を持たせています。一度リムーブするとその戦闘には復活させることはできません。「どのキャラ」を「どのアイテム」に、「どのタイミング」でコンファインするタイミングが重要なのです。コンファインするアイテムごとにもキャラのパラメータを上下させる割合が決まってるのも重要。

アイテムはコンファインする以外にも、ショップで買ったアイテム同様にそのまま装備することも可能。ただし、これは敵ユニットにも言える事ですが。また、敵や味方を含めたユニットそのものも装備可能。敵の場合はそのキャラのターンに下にいるキャラがダメージを受けるので敵の死体を装備しましょう(笑)。

戦闘にはマローネを含めて最大16ユニット参加可能。ただし装備している持込アイテムも1人と考えられるので、基本的にはその半分の8人になります。キャラがリムーブしても持ちこみアイテムはマップに残るので、アイテムを装備しているキャラをコンファインするなら最低2人はリムーブしないとコンファインできません。戦闘不能はそのままマップに残ってる扱いになるため、これも追加コンファイン不可。

そしてもうひとつ、場外の概念があります。場外に放り出された味方ユニットは自分から落ちてしまった場合を除いて強制的に戦闘から除外。それは敵にも言えることだけど、敵の場合は残った敵のレベルがアップするために過度の場外は禁物。まれに自分から落ちてレベルを上げていくヤツもいるけど。この際にマップの移動力補正が効いてくる。ツルツルだとイッキに場外送りとか。

2.ヘクス制の廃止とマップの移動補正

今回はヘクス制を廃止し、キャラごとに移動能力(dm=デシメートル)が決められてます。その数値の範囲内なら、ヒットアンドアウェイのように何度でも自由に動ける。ただ高さに関してはキャラごとに違うみたいなのに、その表記がないのが移動戦略が立て難くて不便かな。

そしてヘクス制が廃止されたことに伴い、今までのターン制から半リアルタイム制に移行されました。これがどっちのが良かったかは微妙。…というのも、これだと早いキャラ=使えるキャラになってしまうから。よって素早さの下がる斧などの装備品はあまり使えない部類になってしまい、プレイヤーの取れる選択肢が減ってしまったように思う。魔導合成で解消できるとはいえども。攻撃力よりもスピード。この特徴が最大の武器でもあり、ゲームバランスの失墜を招いたことは否めない

マップには地面の「滑りやすさ」と「跳ね具合」が決められていて、それが移動力に補正をかける。地面が「ツルツル」だと少し動いただけでメッチャ動き、地面が「バウンド」だと、高い場所から降りた時にメッチャ跳ねてどっか行く(笑)。ただ基本的にはノーマルとこれくらいで、例えば砂漠のエリアなら「進まない」とか、もう少し種類があっても良かったと思う。

3.プロテクション効果

ディスガイアのジオシンボルとジオパネルと基本的には同じ。プロテクション効果を発生するアイテムもしくはユニットとそれを受けるものがある。強化から弱体化など様々な効果があり、それをどう利用するかはプレイヤー次第。

4.キャラメイキングシステムと霊験、ダーク値

ディスガイアと同じく、メインキャラであるマローネとアッシュ以外はみなメイキングキャラとして作成します。職業は人間タイプならどこかで出てきたものを1人、モンスターなら20体倒す事で作成可能に。作成にはお金が必要。

キャラ作成の際に、キャラのパラメータに補正をかけるのが霊験。霊験はその職業のレベルが高いほど多く振り分けられるため、最初の一体は絶対に強くできません。レベルの上げやすい後半のが育てやすいですね。まあ普通にクリアするだけなら気にしなくていいんだけど。それと、マローネたちメインキャラの霊験は原則として上げられません。メインキャラの転生にはその専用アイテムが必要で、レア中のレアアイテム。シナリオ進行内で2個、おばけ島内で1個、あとはランダンで運良くあるかどうかくらい。そのためにメインキャラが意外と扱いづらいという事実も。でも、やっぱりこれも魔導合成で解消できたり(笑)

メイキングキャラは人間系は1体、魔物系は20体倒す事で作成できるようになる。ランダンにしか出現しない種族もいます。また、メイキングキャラには戦闘に使うキャラのほかに、おばけ島にいることで才能を発揮する職人がある。職人には商人・改造屋・魔導合成師・称号師・ダンジョン師があげられ、いずれもゲームを楽しむために必要な存在。その分戦闘には向かないが、レベルそのものはシステム上必要で、その辺りのバランスは絶妙かと。

今回は味方殺しをすると、ダーク値が上がります。ダーク値が上がると、おばけ島内で味方やアイテムに攻撃を加えるなどのデメリットが発生する。おばけ島内にばあさんがいれば低確率で減らしてくれる。基本的にはいい事はありませんが、例外も。ダークが100溜まった時点でお化け島内(帰還時の「おばけ島の出来事」)で誰かを攻撃すると、称号が「冒涜の」になり、ダークエボレウスが使えるように。合成してしまへ(笑)

5.スキル

今回のスキルはキャラが覚えられるもの以外はアイテムからキャラへ合成する、もしくは装備しているアイテムの固有技+アイテムからアイテムに合成することで使えます。系統は物理・放出・元素・変化・時空・補助・回復の7系統。各スキルを使うためのスキルポイントは今までと違い系統ごとに分割されている。スキルはそれぞれに依存するパラメータがあり、その依存によりダメージが変わる(基本的には物理系ならATK依存)。その中でも最も見所はそのエフェクト。スキルの数自体が膨大なため全て見るのは根気がいるが、中には不思議なエフェクトを持つものがあって、なかなか楽しい。また、特定のキャラが特定のアイテムを装備することで使用できる専用技もあります。エトナにプリニーとか。

6.魔導合成と改造

今回のメインシステム。アイテムのレベルアップや新しいスキルの習得には改造屋によるアイテム改造が必要で、アイテムの性能を上げたり、スキルの移植に必要なのが魔導合成師による魔導合成。そのどちらもマナが必要になり、改造屋・魔導合成師のレベルが高いほど必要マナは少なくなる。特に魔導合成はやり込み要素の重要なポイントで、ランダン攻略とともにアイテム強化はムチャクチャはまる。ただし、これをやりすぎると本編攻略がケタ違いに簡単になってしまうため、バランス的には微妙。けれども、クリア後のエクストラステージ攻略には必須だったりするため、その辺りの評価は分かれるところかと。

7.称号

キャラ、もしくはアイテム(一部例外あり)には全て称号を付けることができます。称号の効果には各パラメータに補正、スキルの上昇率の補正、スキルそのものが付いているなどが挙げられるが、一番はやっぱりその名前であろう。マローネに「ペタンコ」必ず誰もが通る道(笑)。名前を取るか、効果を取るか。ちなみにダンジョン師が作るランダンの称号は適当なカタカナな組み合わせでできるため、中にはとんでもない称号ができる場合も。さすがにピー語は見たことないけど、きっとチチモゲとかは出てくるだろう。粘れ!(笑)

8.ランダムダンジョン

このゲームにおいて、魔導合成と並ぶやり込み要素の中核。ダンジョン師によってランダムに生成されるダンジョンで、本編攻略においては必須項目ではない。ダンジョン師のレベルが高いほど高レベルのアイテムと敵が配置されるダンジョンの生成が可能。潜れば潜るほど敵が強くなるなど、ラ・ピュセルの魔界、ディスガイアのアイテム界と基本的なルールは同じ。違いとしては称号師によって称号を上書きする事により、その称号の性能アップをすることができる。その分、元のダンジョンよりレベルが上がったり、階層が深くなったりするけど。ランダンの作成が今までより簡単になった分、レベル上げがしやすくなったかと。ディスガイアの場合、練武3である程度上げたあとは、もうアイテム界にひたすら潜るしかなく、また効率はあまり良くなかったが、今回は自分である程度まで敵の数やレベルを選択できるようになった分、やりやすくなったと思う。脱出にはダンジョン師の「リターン」のスキルが必要だが、所持金を消費するために序盤では苦しい。資金に余裕のある後半で初めて本当の意味でやりがいが出てくるかと。

一番面白かったのはたまに入る「乱入ステージ」か。めちゃくちゃレベルの高い敵が出たり、中立勢力と協力するステージだったり、それどころか誰もいなくてそのままクリアーとか。そのために予期せぬ全滅になったりするスリルも。そして最終階には特別ステージがあります。乱入ステージに比べて敵のレベル補正が高い傾向。自称神とかいたり。

またランダンは連続クリアすることでマップクリア時の取得経験値がどんどん増えていきます。なるべく連続クリアしていくのが基本形か。

9.クリア後のオマケ要素

ランダン以外での追加やり込み要素。最終的にはやっぱりバールが出てくる。そこまで辿りつくのは一苦労。…ですが、今回はそのやり込み要素のとっかかり部分のレベルが下げられてやりやすくなってます。追加ユニットとしてラハール・エトナ・フロン・中ボスらディスガイア組と、マールからミャオが仲間になります。これらのキャラのレベルはディスガイアに出てきたプリエの2000と比べるといくらか低く、ミャオは1000だけど、その他は150から450程度で倒しやすい。こういうファンサービスがとっつきやすくなったのは好感度高し。仲間になるキャラはやっぱりある程度仲間にしやすくないと、ファンサービスとは言えないと思うし。

2章 音楽編〜俺達B・G・M!(パクリなうえに違う)〜

…というワケで俺にとって鬼門のコーナー。相変わらず音楽センスなし。とりあえずこのレビューのために、ラ・ピュセル、ディスガイア、ファントムブレイブのサントラ全て聴き直しました。…えぇ、全て初回版で持ってますが何か?(←青木さやか調にお読みください)

※参考資料 個人的に評価しているBGMのゲーム
1位…ワイルドアームズシリーズ
2位…keyのゲームのBGM全般(ONE含む)
3位…テイルズの中からファンタジアとデスティニー2

個人的にこのシリーズの音楽の評価はあまり高い位置にはありません。一作に一つ程度はいいBGMがあるのですが、全体としてはイマイチ。とりあえずこの3部作の中では今回のファントムブレイブが一番良かったと思う。タイトル画面のエンジェルブレスが今回一番いいので(個人的に電源入れて最初にかかる音楽は重要だと思ってる)。

ただ、今回は挿入歌が弱かったかなと。ディスガイアのサントラ聴いててそう思った。ディスガイアの「赤い月」は短いながらもなかなか情緒のある挿入歌だった。今回だと「ともだち」がそれに当たるんだが…サントラで聴いた時はすっかり忘れてたもん(爆)

3章 キャラ解析編〜マローネの後ろ姿に彼女の有望な未来が見えた(笑)〜

今回はメインパーティーキャラが少ないので、少々大雑把に。…ちなみにファントムブレイブの性質上、戦闘におけるユニットの特性は魔導合成により何とでもなるので省略します(笑)

1.マローネ

本編主人公。霊魂と心を通わせられる「奇跡の能力・シャルトルーズ」の能力者。そのために悪霊憑きとして忌み嫌われるが、両親の「いつか認められる」という言葉を信じて、健気にクロームとして働いている。ていうか、設定資料集には「シャルトルーズという名前は父親のマネをしているだけで、父親の能力は回復能力だった」とか、それどころかマローネの母親の欄には「彼女も能力者だったようだが、詳細は明らかではない。マローネの能力には母親の能力が関係しているのか…?(※本編中でも明かされません。いずれ明かされる日が来るかも)」とか書いてある。…っていいのか、そういう方法は?(笑)

2.アッシュ

マローネと並ぶ本編主人公。8年前にマローネの両親とともに死亡。その際にマローネの父・ヘイズの能力「シャルトルーズ」により霊魂として現世に留まる。「水竜の能力・エカルラート」の能力者。エカルラートはリムーブ直前にATKとINTが2倍になる能力だが、これは生きていた時の彼にはどういう能力として発現していたのかが気にかかる。ちなみに、ロリコン説が有力。

3.カスティル

病気のために歩く事ができず、その高額な薬のために働く親に対して自責の念を持っている。そのため、自立しているマローネに憧れを持つと同時に、友人になることを申し出る。マローネと違った形で自分の存在意義に対しての答えを探しているキャラとしての位置付け。

4.ウォルナット

依頼の横取りを専門にするクローム。「覚醒の能力・サイコバーガンディ」の能力者。実際はカスティルの兄・フェイディッド。その強引なやり口と金に対する執着は全てカスティルのため。周囲から蔑まれた自らの生い立ちを彷彿とさせるマローネが、自分と正反対の道を進むことに対して疑問と怒りをぶつける。覚醒の能力は30年前の勇者スカーレットと同じ能力だが、関連は不明。カスティルとともに孤児だったという理由は何らかしらの関係があるのか…?

5.シェンナ

正体は勇者スカーレット。詳しい設定はクリア後の追加イベントで一部明らかに。年齢不祥だが、少なく見積もって48歳(30+18)。

6.パーシモン

ウォルナットの親友。「ザクセンの7年もの」が口癖(違う)。クリア後のシェンナのイベントでシェンナと一緒にいるオウル族との関係が怪しい。スカーレットと同じ能力を持つウォルナットを気にかけるのがその証拠。余談だが、エンディングでザクセンの7年ものでなくウォルナットの愛酒を飲んでいる姿がカッコええ。

7.コールドロン

島食らいのコールドロンと呼ばれる地上げ屋。最初はマローネに敵対していたが、ある依頼をきっかけに和解。同時に理解者として「マローネちゃんファンクラブ」を設立し、会長に就任。意外とシブい役どころ。アッシュに次いでロリコン説高し(笑)

8.ラファエル

イヴォワール9つ剣に数えられる1人で白狼騎士団団長・無限剣のラファエル。「極みの能力・ヘリオトロープ」の能力者。騎士の名に恥じない人。そのために目立った活躍はなかった(爆)

9.スプラウト

かつてイヴォワール9つ剣に数えられた最強の騎士・輝ける聖剣スプラウト。30年前のサルファー襲来で家族を失って以来、復讐のみを糧に生きてきた。「冒涜の能力・ダークエボレウス」の能力者。カスティル、ウォルナットとともに、マローネと似たような生い立ちと違った生き方を見せた。生き方は人それぞれ。それが正しいかどうかなんて結果が出るまで分かりません。ただ、それでもその人は一生懸命生きてきた…と。

10.ドラブ

レイヴン・獣王拳団団長。「勇猛の能力・メガロクロッカス」の能力者。サブキャラの中ではコールドロンと並んでカッコいい役どころ。特に18話で助っ人に現れたところとか。新聞で読める「干からび島」での一件のこともポイント高し。

11.その他の方々

モルト伯などは個人的に好きなんですが、いかんせん書くことがないので割愛(爆)。ブータン・シシカバブも。本編の中で登場した能力者ではドラブ以外では「ヴィリディアンカッパー」の死人使いフォックスなんか、マローネより悪霊憑きそのものじゃん!とかツッコみたいです(笑)

4章 シナリオ考察編〜戦士の絆〜

今回のシナリオは全4章の20話構成。4章仕立てというのがそのまま起承転結を表してて分かりやすい。ゲームの舞台は各島々が点在している世界(個々の島ごとにシマオサがいることから、特定の国家は存在してないっぽい)イヴォワール。今までのシリーズとの世界観との繋がりはありません。強いて言えばバールかね。イヴォワールの別名は「ペタンコ世界」らしいです。マジで。

1.イヴォワールタイムズの役割

1話をクリアするごとにおばけ島のポストに入っている新聞。この役割がなかなかのものだったと思う。というのも、容量の都合でカットせざるを得ないシーンを記事として補足することが可能だったから。イベントの後日談や次への伏線など、イベントがないがために?マークが浮かんでしまうような状態を極力なくすことに成功してた。まぁそれを邪道と取る人もいるだろうけど、俺は寛容に見ます。消化不良になるよりは断然いい。

ちなみにその新聞記者の中でも最もシナリオにハクを付けたのがフィルバード。最初はマローネを問題視していたが、モルト伯などのインタビューを経てマローネへの興味と偏見に気付いた事、そうして少しずつ世界の流れを変えていったという意味では、姿を見せたサブキャラ以上の存在だったかと。途中でマローネたちと直接会うシナリオを挿入しても良かったかと。

新聞というメディアを使うことによって、ともすれば「住民の自分勝手さ」が浮き彫りになってしまうシナリオを上手い具合に調和させた効果は大きかったと思います。

2.システム上どうしても消化し切れなかった「奇跡の能力・シャルトルーズ」の存在

…というか、システム的にマローネが霊魂を召喚するというシステム上、各サブキャラが始めから仲間にならないってのがプレイヤーに分かりきってしまうのが今回最大のアキレス腱だったかなぁ。確かに途中でウォルナット・ラファエル・ドラブらは一時的に共闘する戦闘パートはあったけど。結局は死ななきゃ味方ユニットにならないってのは変えられないんだし。そういった意味で少々先に進める楽しみが損なわれていた気がする。

…って、これシナリオの話じゃねえな(笑)

3.パティの能力

パティの能力ってのが空間操作なんだけど、これがサルファーを追い返すほどのものかどうかってのがどうしても腑に落ちない。元々は「森の盗っ人」と呼ばれて、身近なものを隠す程度のもの。それがいくら集まったところでそれほどの空間操作が可能になるのか?そんな事ができるんだったら、もっと大きい物を隠された人がいたっていいだろう。例えば、シシカバブが大事にしているシシカバブサーカスそのものが隠されたって不思議じゃない。だけど実際は写真が隠された程度。まぁ確かにその時のパティは一人だけだったんだけど、それでもそう考えるには充分じゃないかと思う。

4.勇者スカーレットとウォルナットの持つ「覚醒の能力・サイコバーガンディ」の関連性

結局これは最後までほったらかしで終わったファクターだった。ウォルナット(=フェイディッド)とカスティルはともに養子だったから、そうなると「勇者スカーレットの子供か?」って考え方もできる。だけど全く触れられなかった以上は推測するしかない。クリア後の追加イベントでシェンナの過去が一部明らかになる。そこではオウル族が出てきた。もし、ウォルナットたちがその子供だとするならサイコバーガンディの関連性は解消される。それで、そのオウル族とパーシモンも繋がりはあるだろうと。兄弟とか。そうなら、あれだけ強引なやり口で仕事しているウォルナットを何かと気にかけるのもうなづけるし。

5.能力者の「能力」ってそもそも何?

本編中に登場した能力者は多数いる。

マローネ→奇跡の能力・シャルトルーズ
アッシュ→水竜の能力・エカルラート
ウォルナット→覚醒の能力・サイコバーガンディ
ラファエル→極みの能力・ヘリオトロープ
スプラウト→冒涜の能力・ダークエボレウス
ドラブ→勇猛の能力・メガロクロッカス

メインシナリオで大きく関わってきたこれら能力者(他にもコバルトブルー、ヴィリディアンカッパー、オウルミョゾディスなどがあった)だけど、能力そのものがどういうものなのかの説明が一切なかったなぁ。マローネの場合は生まれつき備わってたようだけど、スプラウトなんかは自ら身に付けた能力だろうし。スプラウトがダークエボレウスを使うようになったのはシナリオの根幹に関わってくるからねぇ。そりゃプレイヤー的には仲間100人殺して称号「冒涜の」を取得すりゃ使えるようにはなるけど(笑)。「途中でカスティルがサイコバーガンディを使えるようになって、戦列に加わってくれるかも?」とかちょっと期待してしまった俺はダメですか?(笑)

終章 総括及び次回作展望編〜マローネちゃんファンクラブ〜

さて、総括です。今回はディスガイアに比べてやり込み要素がやりやすくなって楽しかったです。レベル上げもランダンをある程度自由に生成できるからやりやすかったし。反面、戦闘時の不便さがかなり目立ったかなぁ。画面は360度回転(8方向)できるからいいとして、パッと挙げられるのが以下。

・キャラやアイテムが重なった時にカーソルを合わせづらい
・マップのキャラ一覧でアイテムのマナを見られない(直接カーソル合わすかしないといけない)
・範囲攻撃に仲間が入ってるなら、その印を出して欲しかった
・ジャンプ能力の表示がないが、別にマスクデータになっている必要はないだろう。
・スキルが最大32個(アイテムに合成したものを含めると最大64)も所有できるのに、カーソルがひとつずつしかずらせない(ソートは可能)。

などなど。これらの不親切さは結構ネックな気もした。イベント上のメッセージウインドウのキャラフェイスが一つしかないとかは、もうディスガイアの時にスタッフがこんなことを言っていたから割り切りましょう。

「仮にウチがPS2でファミコンみたいなグラフィックのゲームを出しても、その分内容は充実させますので」

全体的には複雑なシステムで最初はやっぱり戸惑うけどチュートリアルはそれなりにあるし、やっていくうちに自然に覚える程度でいいので実際はそんなに苦労はしなかった。手軽にやり直しが効くソフトリセット(いつでも開けるメニュー画面からできる)もある。そう考えると、このシリーズの最大の課題は戦闘パートの改善に尽きる。

おまけ やり込み三部作での好きなキャラランキング〜マールもやってるけど、今回は抜きで〜

というワケで最後はキャラランキング。サクっといってみよー。

1位…アルエット(ラ・ピュセル)

年上好きなんですよ(笑)。ラストダンジョンでのプリエとのやり取りとか良かったです。

2位…エトナ(ディスガイア)

ディスガイアのヒロインはフロンではなくエトナだと思います。シナリオ的に。

3位…オマール(ラ・ピュセル)

これは名場面集のほうにも書いたけど、ヴルーテ戦がカッコ良かったのです。

4位…マローネ(ファントムブレイブ)

最初のほうがめちゃくちゃ可哀想なんでね。あと、背中(笑)

5位…ドラブ(ファントムブレイブ)

思いっきりサブキャラですが。うん、18話での登場の仕方とか、新聞で読んだ記事のこととか。早くも今季最優秀サブキャラ賞最有力候補。


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