ワイルドアームズ アドヴァンスドサード
口笛と荒野のRPG第3弾。
PS2ではシリーズ初ですね。
相変わらずの西部劇テイストがいいカンジ。
ムービー中にセレクト押すと歌詞が出るの知ってます?
それと、ステータス画面やメッセージウインドウでセレクト押すと文字消せますよ。
あまり役に立たないとされるセレクトボタンに新たなる価値が…(笑)
序章 ボクとワイルドアームズ
まぁ一応、1作目から全てこなしてきてます(一応というのは隠しボスなどを完全に攻略していないことを指します)。正直、今回の最大不安要素にアクセス問題というのがありました。実は前作セカンドイグニッションの時、戦闘の読み込み(特に終了時)と、アウト⇔インフィールドの切り替え時のアクセスの長さはかなり辟易しましたから。ゲーム雑誌の記事や写真を見る限りどうしても長くなりそうな予感がしたし、雑誌にはそういう事は一切書いてないので推測すらできなかった。だから最悪の事態としてセカンドの時の長さを覚悟せざるを得なかったのです。ただ、その懸念さえ払拭できれば、その他の要素について言う事など全く無いのも事実なんです。したがって今回のポイントはアクセスです。それを踏まえたうえでワイルドアームズアドヴァンストサードのレビューといきます。…余談だけど、WA3の発売を知ったのはGAMAGUN氏の日記だった気がする。熱狂的信者でありながら、結局買っていない人に情報を先越される俺はなんてダメなヤツなんだろう(笑)
1.シナリオ
今回も前2作と同じ設定、荒廃化が進む世界・ファルガイアが舞台。基本設定は同じだけど、シリーズの世界観として全くの別モノ。故に前作、前々作との関係もありません。…いや、あるって言えばあるのか?(笑)俺の印象としてはワイルドアームズシリーズの集大成というイメージ。前2作で使われた、エルゥ、マテリアル、ガーディアン、アガートラーム、アクセスといったのを始め、聞き覚えのある用語がたくさん出てきます。設定が変わっていたりするものもありますが。マヤなんか性格こそ正反対だけど見た目はジェーンっぽいし。しかしファルガイアは回を重ねる度に荒廃していくね。最初はただのウエスタン風だったのが、セカンドではベリー系アイテムが流通しなくなり(ブラックマーケット除く)、今回はとうとう海までなくなっちゃった。ファルガイア住民の皆様は一体どうやって飲み水を確保しているのだろう?
2.システム
最初に書いた通り、今回の最大最強(ラギュオラギュラではない)の懸念だったアクセス。映像資料やHDD対応といった要素からアクセス問題は常に俺の中にありました。…が、プレイしてみてそれが全くの杞憂に終わりました。快適そのもの。唯一、アウト⇔インフィールドの切り替え時は気になりますが、RPGでほとんどを費やす戦闘にアクセスを感じないので問題にはならないと思います。
ステータス補正に関してはほぼ今までと同様。ミーディアムを装備することで設定されたパラメータに補正がかかる。長所を伸ばすも短所を補うのも自由で、個人個人でカスタマイズが楽しめる。まぁそれにより扱えるアルカナ(魔法)が決まるので、前作に比べるとある程度装備するキャラが制限されますね。回復や攻撃といったアルカナは当然ギャロウズかヴァージニアに付けたほうがいいんで。
今回のパーソナルスキルは前作と違い、ミーディアムごとに設定されているものの他、各種ギアをミーディアムにプラグイン(最大5つ)することで追加されます。ステータスを補正するものから、属性耐性、状態異常耐性など種類は様々。ただしデリートするとそのギアもなくなるので使いどころは難しい。また購入はできず(ブラックマーケット除く)、ダンジョンや戦闘でのみ入手できる。パーソナルスキルをうまく使い分ければ、前作以上に戦闘を有利に進めることができるようになった気がします。
3.戦闘
戦闘システムは前作をほぼ踏襲。FPがあればアルカナは使い放題。フォースアビリティを使う事で減少する。FPは段階ごとに10〜40%の間で攻撃・防御力に補正がかかる。前作と比べるとややFPが貯まりにくいため、フォースアビリティの使いどころ、特にボス戦において戦略性が高まったと言えます。戦闘不能になるとFPがゼロになるため、復活させても立て直しが難しいし、それが回復役の場合はさらに戦局がキビしくなります。そのため、賛否両論でるシステムだとは思いますが、個人的には好き。ただ移動中はジェムを取る事でしか回復できないのはキライですが。VITゲージがあるうちはいいんだけど。それが戦闘中に意地でも回復させながら戦わないといけないという面倒な事態を引き起こさせてます。いくらザコでも多少はダメージ受けるもんね。ジェムなんかダンジョンによっては取っちゃダメなのもあるじゃないですか。また外に出る手間を考えるとね…。相変わらずベリー系アイテムは売ってないし(ブラックマーケットやガーデニングは除く)。
前回はメンバー6人のうち3人出撃(戦闘中入れ替え可)だったけど、今回はシリーズ初の4人戦闘な為かサブメンバーはいません。
前2作との最大の相違点はやはりキャラが動き回ることでしょう。敵味方を問わず、戦闘中はフィールド内を常に動き回ります。それが仲間が敵を追っかけたり、そのまた逆になったりと思わぬ名場面を生み出したり(笑)。たまにダメージの数字が見えなくなったりするのはご愛嬌か?
今回はフォースアビリティが3つずつしかありません。うち最初のがキャラ固有のモノ(ヴァージニアがミスティック、ジェットがアクセラレイター、クライヴがロックオンスナイプ、ギャロウズがエクステンション)で、残りはマテリアルとガトリングで共通してるので、種類に物足りなさ感=戦略幅の縮小がありましたね。あと、ヴァージニアの10連ガトリング(装填数+5、10段階軽量で可能)は爽快なので一度お試しあれ。
4.グラフィック
PS2になっただけあって言う事はないです。特にバトルなんか、あのキャラが動き回るんです。先述したとおり、たまに不可思議な動きをする事がありますが、まぁ珍プレーみたいなものですね。あと、馬上戦闘は「コイツらどこまで追いかけてくんねん?息上がって死ぬんじゃねぇか?」とも思うが(笑)
街マップが狭い事に関しては、PS2のポリゴン表示数の限界で仕方ないらしいです。まぁ狭いほうがあまり動き回らずに済んでいいと思うのだが、やはり多少拍子抜けしたよな。最初のバスカーコロニーは気にならなかったけど、次のジョリーロジャーが港町っていうのにあの小ささだったもん。「あれッ?」って思うよ、普通の人は。したがってファルガイアの総人口数はメッチャ少ないよ(笑)。ただ会話パターンが多い(先頭のキャラで変わったりする)のでさほど気にならないかな?
あと、何かと専門用語の多いこのシリーズでは文字に読み仮名が振ってある(具現化=マテリアライズなど)のが予想以上にいい味出してましたね。
5.音楽
なるけ曲バンザイ!!…これ以外に言う事ってありますか?(笑)今回も口笛系が荒野っぽさを見事に演出。強いて言えば対預言者戦の曲。あれだけはミスマッチに思えたなぁ。どっちかって言えばトカとゲーっぽい気がしました。ところで荒野の果てへってもう使わないのかな?もう一度聞きたいんだけど。
6.キャラについて
今回はもうギャロウズさんにすみませんって心の底から謝りたいです。発売前はそのヴィジュアルから散々言ってしまったが、ヘタすりゃ今回一番カッコいいキャラだったよ。いや、まぁヴァージニアもジェットもクライヴもマヤも皆カッコええけどね。ヴァージニアとマヤのライバル関係はヘタな男同士のライバル関係よりも数十倍もカッコいいんじゃないかな?このゲームに「萌え」はないね。あるのは「燃え」。それでもあえて萌えを探すとしたら…花園の少女?女性視点ならジェットもアルフレッドもシェーンもそうか?…やっぱ萌えだらけかも(笑)。いや、例え萌えても燃えなのです!(支離滅裂)
7.オマケ・隠し要素について
今回も恒例隠しボスはアリ。当然抑えはラギュオラギュラ。しかも幼生体と完全体の2種。どうでもいいけどラギュオラギュラと中尾彬って似てるよね。語感が。這い寄る混沌も登場します。その他にはクリア後にムービー鑑賞やレベルを引き継いでニューゲームをしたりできるようになるエクストラファイルを開くためのエクストラファイルキー集め、前作キャラ・マリアベルの物語である「空色の冒険」集め、パズルゲームのミレニアムパズル、それと闘技場とABYSS。このうち最後の2つは本編に絡むけど。ラギュオラギュラを倒すと手に入るシェリフスターは2周目以降に引き継げるので、4回やれば全員分シェリフスターを集められます。誰かチャレンジしてみないか?(笑)
ところで街の各所に現れる例のあの娘に気付いた人っています?俺はハンフリースピークと、思い返せば確かにブーツヒルのジェイナスイベントにも顔を出してた。あれって伏線だったんだね。
8.不満
不満は意外と多いッスよ。ハードディスク普通に買えへんやんとか(笑)。これまでにいくつか書いてきたけど、それ以外にも武器防具がないとか。武器はアームの改造で個々でカスタマイズできるしいいとしても防具はあっても良かったんじゃないかな。そしてやはりギア。多少値が張ってもいいから売ってて欲しかった。それに隠しボス戦で手に入れたギアってもったいなくて使えないよね?それとミレニアムパズルでは意図せずに落下してしまいやり直しなんて事も多い。任意でギブアップとかにしてくれれば良かったと思います。
そしてやはり最大はシュレディンガー一家でしょう。やはり誰もが自分で操作したいと思ったハズです。俺もその一人ですから(笑)。ヴァージニアチームの誰か一人とマヤチームの誰か一人の2人パーティー×4で攻略しないといけないダンジョンとかあったら良かったと思いません?ジェットとシェイディが組んでたり、メガネとアフロが組んでたり、筋肉マンと気弱げな少年が組んでたりしたら、それだけで面白いと思うんです。当然、ヴァージニアとマヤもいがみ合いながらも気付いたら協力してたとか…ねぇ?考えただけでワクワクしませんか?
9.まとめ
総合評価としては特Aランクにしていいと思います。ていうか、5800円という値段(プレミアムボックスは別)がすげぇ。今のRPGは6800円とか7800円が主流だもん。プレイ時間も40時間程度と及第点だし。
ちなみに、ココまであえて触れなかった音声についてですが、俺は無しでいい派。音楽が効いてるので音声はいらないと思います。ただ、戦闘に限ってはあっても良いと思うんですが。別にアルカナの名前なんて変えないし、固定でいいと思うし。せっかくあれだけキャラが動き回るんだから、音声があったほうがより迫力が出ると思います。